米軍撤退のチャンス? トランプ大統領候補の対日姿勢

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トランプ大統領候補は日本や韓国からの米軍撤退を示唆しているそうです。なぜなら米国にとって赤字だからという話です。「(日本と韓国は)さっさと核武装して、米軍の保護下から離れろ」くらいに解釈できる発言をしているそうです。

日本にとっては、中長期的には非常によい話だと思います。敗戦から70年以上、日本は米軍への軍事的依存を続けてきました。色々と安上がりなのでその方が日本の国益にかなう、と多くの人がそういう選択をしてきたからです。ただ、米軍がいなくなれば、色んな有形無形の足かせが外れるので、防衛面での自立は、国防予算の増額を補ってあまりある国益を産むことでしょう。

国際関係での同盟というのは、お互いに「利益がある」限りにおいて守られ続けるもので、永遠の同盟など存在しません。日本列島や朝鮮半島に軍隊を展開することが米国の国益ではないと米大統領が判断したら、今のカタチでの日米関係は当然なくなります。

別に基地をおいてもらわなくても、かつての日英同盟のような外国軍の基地をおかない軍事同盟というのもありえるので、米軍基地が日米安保に不可欠というのは過去の常識にとらわれすぎた意見です。たとえば、米国が攻撃を受けたら日本軍が同盟軍として参戦する、的な協力ができればいいだけの話です。(現行憲法の9条は無用の長物なので無効化する前提です)

また、米国は(米国に限りませんが)、自分達の利益と一致しなくなった場合、属国や同盟国を見捨てて撤退することもあります。

ベトナムでもイラクでもアフガンでもそうでしたが、状況不利とみたら世界最強の米軍でも撤退を選ぶことはあるのです。米軍が自国の権益に反してまで、最後の一兵まで日本列島を守る理由などもともと存在しません。

条約なんて都合が悪くなったら破棄される、特に強者は弱者との約束をカンタンになかったことにすることができる、というのは歴史の常識です。独ソ不可侵条約しかり、日ソ中立条約しかり、強者が【いらない】と通告したが最後、条約がなかったことになることは歴史上、決して珍しくはありません。

いずれにせよ、日本が完全にアメリカの51番目の州になるのでなければ、米軍の軍事的保護は、いつか日本から消えます。トランプ発言はその当たり前の話を、「王様は裸だ」的にあえて多くの人の前につきつけたわけです。となると、かつての大日本帝国海軍のように、太平洋に限って言えば米軍より強い戦力を持つのは無謀にしても、今の駐留米軍と同レベルの戦力をもった日本軍を復活する備えはしておくべきでしょう。

これは、今までに無い危機であると同時に今までに無いチャンスでもあります。ジャイアンとのび太が「いじめっ子といじめられっ子」の関係から待遇改善を求めるとしたら、ジャイアンの側から言い出した時こそがのび太にとって、最大のチャンスだというとこです。

この際、横田も横須賀も、座間も岩国も、どんどん返還してもらって日本の軍事基地に差し替えていき、基地無しの同盟に変換していく階段を作りましょう。そうすれば、米兵犯罪みたいな気持ちが悪い事件も減ります。自衛隊から犯罪者が出た場合は、米兵と違って日本の法律で裁けますからだいぶましになるはずです。

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サイトの運営方針は「自分とは何か」「日本文明とは何か」という二つの問いへのインスピレーションを刺激する話をすること。人生で大切にしたい事は「遊び・美しさ・使命・勝利・自由」。 なお、日本的精神文化のコアの一つは「最小の力で最大の成果」だと思う。例えば「枯山水(禅寺の石庭)の抽象的アート表現」などは、良い例。

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