歌舞音曲にせよ武術にせよ瞑想にせよ、いわゆる伝統的なジャンルにおいて「呼吸」というのは非常に大切にされています。現代のセミナーでも、呼吸が整うだけで美人になる、呼吸が整うだけで超人になる、というキャッチがたまに飛び交いますが、実際大げさではなく呼吸には体を整える大きな力があります。
ところで、この腹式呼吸という言葉が実際に指しているものは、10人の先生がいれば10人とも違うことを言っていると理解したほうがいいです。水泳の仕方を文章で教えられないのと同じで、呼吸法というのも言葉で伝えるのは非常に難しいものだからです。
世の中にある腹式呼吸情報を大きく分類すると
1.声楽などによく見られるもの
吸う&腹ふくらむ 吐く&腹へこます
2.武道などによく見られるもの
吸う&腹へこます 吐く&腹ふくらむ
3.お腹は基本的に動かさないもの
吸う&腹ふくらむ 吐く&腹ふくらむ
吸う&腹へこます 吐く&腹へこます
などがあります。
腹式呼吸について調べだした人は「腹ふくらむ?へこます?何が正しいんだ??」と頭を悩ますことになります。結論から言うと、上の3つのパターンは実は全部正解です。なので自分の身体にとって一番目的にあったものを使う、もしくは細かいことはあまり気にしないというのが正解になります。
ただ、共通して言えることがひとつあって「横隔膜」が最大限に使えているかどうかというのはどのスタイルを採用しても課題になってきます。膜というネーミングが誤解を産みやすいのですが、実際は膜状の筋肉です。
(このyoutube動画の00:20~最後の数秒が、横隔膜という筋肉のイメージをつかむにとてもよいと思うので共有します。画面右側の横隔膜が上下に動く絵を何回か見て頂くと、横隔膜の機能がイメージできると思います。)
すごく息が上がってバテてる人みたいなCGになっていますが、何回か見て頂くと横隔膜という筋肉の動きが理解できると思います。
呼吸というのはまず第一に横隔膜の運動であって、横隔膜という筋肉が適切に動けば良い感じの呼吸ができるのです。
他人の横隔膜の運動は外からは見えません。なので、腹をへこますとか腹をふくらますといった分かりやすい指標が出来たのですが、横隔膜の運動を最重視して意識すればあまり細かいことに悩まなくてすみます。
要するに呼吸というのは肉体的な筋肉の運動なので適切な呼吸筋を使えればいいだけなのです。
呼吸筋(こきゅうきん, 英語: Muscles of respiration)は、呼吸を行う筋肉の総称。すなわち、呼吸をするときに胸郭の拡大、収縮を行う筋肉のこと。種類としては、横隔膜、内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋などがある。正常安静呼吸では、吸気は主に横隔膜の収縮によって行われ、また外肋間筋も使用される。 (wikipedia より)
「呼吸=横隔膜の収縮運動(上下運動)なので、筋肉としての横隔膜という筋肉を鍛えよう」という話が呼吸法に関して、知識として持っておくべき話になります。
あとは本やインターネットではなく身体で学ぶことが重要です。本で水泳は習えないのと同じです。
私自身は呼吸法というものは、単純なもの以外はほとんど使っていません。
よく使うのは長息という昔からある方法で
*とにかく長く吐いて、一瞬止めて、短く吸う
というものです。ポイントは胸から上に力を入れないこと。
あとは横隔膜という筋肉の筋トレ用にこんなものも使っています。
これをやると上の長息はとても楽になりました。横隔膜(呼吸筋)を鍛えられるグッズでは現時点では一番効果が出やすいツールだと思います。歌の人は風船を膨らませるトレーニングをしたことがある人もいると思いますが、あれの21世紀版です。楽をして鍛えたい人は試してみる価値はあると思います。呼吸を整えるという1日10分の投資が人生を変えます。
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※上記の筋トレグッズ(パワーブリーズ)は3種類ありますが「身体が弱い人は緑、普通の人は青、スポーツ経験者は赤」でいいと思います。