このシリーズは、自分の内側から元気がわいてくる自家発電タイプの人間を目指そうというシリーズです。何でもいいので、異世界や非日常と接続する時間、日常とは少し別の大きな物語につながるアイテムを持つ。この時間を確保できると元気を自分で充電できるようになっていきます。
定期的に同じ小説や映画や漫画を見る
愛読書や大好きな映画がある人はこれでいいです。毎日1回寝る前に同じ映画を見てもいいと思います。その世界に入り込んで戻ってくることで、元気になれるもの、100回見ても飽きないものを見つけることがポイントです。
ストーリーの構造として 「修業の後に成功する」とか「執着を手放して幸せになる」とか、「異世界に冒険に行ってふるさとに帰る」とか「精神的に一度死んで復活する」とか、そういう系が癒やされるといえば癒やされますが、「ひたすら試練にあって死んでいく」みたいなものも別にありです。
見るたびに自分が元気になる物語を見つけましょう。宗教的な物語でも、マンガでも何でもいいのですが、そういうものを見つけると「自力で」エネルギーを充填できます。
個人的に、元気がなくなる時にみるものの一つは、「硫黄島からの手紙」「日本海大海戦」などの戦記物です。戦記なので、「どんどん人が死んでいく話」ですが、そういうのを見ると「どうせ死ぬんだから、やることをやってから死のう」という気力が復活してきます。あとは、華やかな話だと「プラダを着た悪魔」なども好きです。主人公がどんどん成長していく話も元気が出ます。
私はキリスト教の歴史を社会的な視点で批判対象にすることも多いですが、聖書が好きな人はひたすら聖書を読めばよいと思います。あれは神話・物語として非常によくできています。ギリシャ神話や日本神話も、何百回も読むのに耐えられる魅力があるコンテンツです。
古代や中世や未来に接続する時間を作る
例えば、日本的な古代世界と接続したいなら自宅のどこかに勾玉を飾っておくとか、中世ヨーロッパのような世界に接続したいならたまにゴージャスなロングドレスを着る機会を作るとか、異世界と感覚的に接触する時間を作るということです。未来世界に接続していたいなら、iPadでも何でもいいですが先進的なデザインのプロダクトを身の回りに置くことです。
中高校生がアイドルのブロマイドを見て「カワイイ!カッコイイ!」と盛り上がるのと仕組みは全く同じです。
ただ、自家発電タイプの大人は意図的に精神的な栄養ドリンクとしてこういうアイテムを使います。勝手に熱狂させられているのか、自分で選んで熱狂するのか、そこが子どもと大人の大きな違いです。
日本風な世界が好きなら、5月は鎧兜を、3月はひな人形を、飾ろうということです。それによって戦国武士の世界や平安のお姫様の世界に接続するわけです。中世イタリア的な世界が好きなら自宅にラファエロやミケランジェロの複製アートの一つも飾っておけということです。
ハイファッション的な世界が好きならジョン・ガリアーノとかプラダとかで日常品をかためよという話です。予算的に厳しければ、別に似たようなものでいいです。絵画などは本物を求めだすと自宅やオフィスを美術館にしようというスケールのでかすぎる話になるので、模造品で十分です。
アイドルの作り出す架空世界もそれはそれで人を元気にする力がありますが、日本の歴史や世界の歴史と接続することでできる時間は、実在した過去で多くの人の無意識にねむっているのでさらに強力な魅力があります。
異世界に接続する時間を持つ
こういう劇場的な仕掛けを作ることは、一見すると無駄な遊びにしか見えないのですが、「違う世界と接続する時間」は人間にとって大いにエネルギーを充電する時間になります。熱心なクリスチャンが聖書を読むだけで元気になるように、純粋に好きになれる世界を見つけたらそこに触れるだけで元気になれるようになります。
純粋に好きなことを見つけるというのは、メンタルマネジメント的には全く無駄にならないのです。
追記 このシリーズは会員向けメルマガバックナンバーのアレンジです