祝詞やお経って「意味分かんないカッコイイコトバだから、なんかいい」みたいな印象を持っている人もいるかもしれません。確かに、神様仏様の世界なので、「よくわからない有難さ」も大事な要素だと思います。ただ、完璧でなくても、なんとなく意味分かったほうが「愉しいこと」は増えると思います。
例えば、中臣祓(大祓詞)という有名な祝詞があります。大祓詞と般若心経は、アマゾンで本を探すと初心者向けの一般書が色々と並ぶくらい、わりと有名なものです。
ところで、この祝詞、少し掘り下げて表現を味わってみると意外に楽しい場所があります。
例えば
「罪と云ふ罪は在らじと 科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く 朝の御霧 夕の御霧を 朝風 夕風の吹き掃ふ事の如く 大津辺に居る大船を 舳解き放ち 艫解き放ちて 大海原に押し放つ事の如く 彼方の繁木が本を 焼鎌の敏鎌以ちて 打ち掃ふ事の如く 遺る罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を」 (大祓詞より抜粋)
という文章があるのですが、
「科戸の風の(しなどのかぜ)、天の八重雲(あめのやえぐも)を
吹き放つ事の如く」
であれば、
※意味
科戸の風 (風が)
天の八重雲(空の雲を)
吹き放つ事の如く(吹き払うように)
なので、
こういうイメージを持つことができます。
(ちょっと面白がってフリー素材で作った動画です)
これが
「朝の御霧 夕の御霧を 朝風 夕風の吹き掃ふ事の如く」という文章であれば、朝霧や夕霧が風です~っとはれていく様子をイメージするということです。
祝詞の言葉は意外と文章としても美しいことが多いので、言葉の描いている情景などもイメージしてみると、より面白いことになると思います。