なまけ者が精神的(スピリチュアル)に目覚めていくにはという本です。「もっとなまけ者の人のために」というあとがきの本文要約がついています。そこからこの本のエッセンスを引用するなら「どんな方法でさとってもさとりには関係ありません」「地獄でさえも愛することができるようになれば、あなたはもう、天国にすんでいるのです」という二つでしょう。とにかく楽をしたい人におすすめのスピリチュアル本です。
取扱注意としては、西洋人の書いた精神世界や哲学を語る本で「愛」という言葉がたくさんでてくる場合、「愛」という言葉の意味を日常の日本語とは違う意味で解釈することが重要です。
「全ては愛である」というのは「恋愛至上主義のすすめ」ではありません。 キリスト教圏で育った人はロシア人であれアメリカ人であれ、「世界の基本原理=愛、人生の意味=愛」という聖書的な発想が当たり前なのです。
英語のLOVEを最初に愛と訳したのが誰かは知りませんが、英語の「LOVE」の概念は日本語の「愛」に比べると非常に範囲が広いのです。
愛という言葉は、慈悲という意味に近い場合もあれば、大切にするという意味に近い場合もあれば、受け入れるという意味に近い場合もあれば、認識するという意味に近い場合もあれば、セックスしたいという意味であることもあるでしょう。
ただ慣例的に「LOVE=愛」となっているので、難しいのです。
この本の中から好きな言葉をいくつかあげると
「さとるためにまえもってしなければならないことなど、何一つありません」 (→苦行や道徳などの否定)
「どんな方法でさとってもさとりには関係ありません」 (→苦労しなくていい。結果さえ出ればいい。別に肉食妻帯してもよい。)
「地獄でさえも愛することができるようになれば、あなたはもう、天国にすんでいるのです」 (→究極のストレスマネジメントだと思います。幸せがとにかく欲しい人はこの発想が一番大事では?)
などです。