1853年の黒船来航以来、日本とヨーロッパの貿易関係が拡大すると、日本の浮世絵や美術品などが大量に欧州にもたらされるようになります。これは当時の西洋美術、特に後に印象派と呼ばれる画家達に多大な影響を与えました。「マネやゴッホは浮世絵の真似」という下手なだじゃれで覚えるとよいと思います。
これは、絵を見たほうが早いので、いくつか例を紹介します。
打掛(着物)を着て扇子を持って踊っているかのようなポーズですね。
言う間でもないと思いますが、元ネタは例えばこのあたりかと。
なぜこの時代のヨーロッパにとって日本の浮世絵や美術品が「新しいもの」だったのかというと、立体的な絵が主流だった西洋社会に、浮世絵やアニメのような2次元的な絵はなかったのが一つの理由です。当時の西洋には平面的な絵がなかったので、衝撃的だったわけです。
当時の日本に「ヨーロッパにはない独自性」があったからこそ「新しいブーム」を作ることが出来たわけです。
国際化時代・グローバル時代の強みというのはこういうことです。「他にないもの」だからこそ「強み」になるわけです。英語が話せるみたいなことは、日本人のために通訳の仕事をするのでもなければグローバル時代の強みになりません。アメリカに行けば小学生でも英語ペラペラなのですから。向こうが通訳を使ってでも聞きたくなる「コンテンツ(中身)」が重要なのです。
追記
箱根にある箱根ラリック美術館には「これは屏風絵か浮世絵か」というデザインのガラス工芸作品もたくさん展示されていて、「19世紀後半~20世紀初期のヨーロッパでは、日本風がえらい流行したんだねー」というのを実感することができます。刀のつばのようなテーブルランプなどが代表的です。
また、ラリックが内装を手がけたオリエント急行の車両が展示されていて、当日予約制で本物のオリエント急行の車両で紅茶とケーキを楽しむことができます。
東京方面からだと、「新宿」や「横浜」から 「箱根仙石案内所(美術館の前)」まで乗り換え無しで行ける高速バスもあります。(2015年3月現在)
※絵画画像引用元 wikipedia (全てPublic Domain)