ウラジオストックの意味は東方の支配です。アメリカの西部開拓は「西へ西へ」とアメリカ大陸を征服していき、ハワイ・フィリピンへといたったわけですが、ロシア帝国の場合はモスクワあたりから「東へ、東へ」とユーラシア大陸を征服していったわけです。そして、ウラジオストックまで到達したところで、次なる目標は日本になっていたと思われ、日露戦争へとつながっていきます。
ところで、ロシア帝国は東ローマ帝国の後継者をもって自認していました。それがうかがえる地名の付け方がこちら。ウラジオストックの湾に金角湾という、かつての東ローマ帝国の首都コンスタンティノポリスの地名をもってきています。
WIKIから画像を引っ張って並べてみましたが、こう見ると確かに雰囲気的に似ている気がします。ウラジオストックの真ん中の△っぽい湾になっている部分と、コンスタンティノポリスの右側のところ。
ローマの後継者を自認していたロシアならではの地名のつけかたです。
こういう風に、理想とする世界からネーミングを引っ張ってくるという発想も面白いと思います。歴史と接続した発想で。
日本だと地方に○○銀座という地名があることがあります。これは東京の銀座にあやかってつけて命名しているわけですが、ロシアの場合は古代のローマ帝国にあやかっていたわけです。