8月は旧暦で葉月(ha-duki)と呼びます。8月はお盆休みや花火大会や甲子園などのイベントがあります。伝統行事では、お盆が重要です。なぜ「葉」の「月」かというと諸説ありますが、旧暦8月では今の暦で9月ですので「葉が落ちる月」という説が有力です。
お盆
もとは「先祖の霊がこの世に里帰りするのを、歓迎して接待して送り出す」という神仏習合した宗教的イベントです。旧暦では7月15日に行われていました。(この辺の昔の死後の世界の世界観を知りたい人は、マンガ「鬼灯の冷徹」でも読むと面白いと思います)
日本の祭りは、旧暦5月の祭りは新暦5月に行われるといったパターンが多いです。 ただ、お盆に関しては例外で、旧暦7月の行事が新暦8月にずらして行われる習慣が多数派になっています。
太陰暦の旧暦と太陽暦の今の暦は約1ヶ月ずれるとして把握しておくとよいです。お正月もそうですが、旧正月と新正月もだいたい1ヶ月差です。
旧正月は厳密に旧暦で計算されますが、お盆を8月に行う場合、「8月15日」に日付固定されているパターンが多数派です。実は、旧暦とは日付に関してはずれています。(例えば西暦2015年だと、旧暦7月15日は新暦8月28日となります)
全国を視野に入れる場合、「旧暦7月15日(年によって違う)」にお盆を行う地域(少ない)と、新暦7月15日にお盆を行う地域と(少ない)、新暦8月15日にお盆を行う地域(多い)と、3パターンあることを頭の片隅に入れておく必要があります。
夏祭り・花火大会
夏の風物詩といえばこれもあります。浴衣を着る人が増える時期です。 今も昔も共通する話として「お祭り=恋愛の場」という図式があります。 今はあちこちに出会いの場がありますが、むかしはお祭りの重要度が高かったようです。
盆踊りというと阿波踊りが非常に有名です。よさこいのような大規模なものから、近所の公園で行われる小規模なものまでたくさんあります。(祭礼の日付は毎年変わる場合があるので、必ず事前に主催団体へご確認ください)
阿波おどり 4K (youtubeより)
祝日 山の日について
7月の「海の日」に対抗したのか、西暦2016年から「8月11日を山の日として祝日にする」という法律が2014年に国会を通りました。「海幸彦山幸彦」の神話の昔から、「海の幸と山の幸」を食べてきた日本の歴史を反映した日本らしい祝日です。
7月の海の日は、昭和16年(1941年)に作られた新しい記念日で、
「明治天皇が明治9年東北ご巡幸の帰途、灯台視察船 明治丸 で、青森から函館を経て横浜にご安着された日に由来」(日本海事広報協会)
という歴史的に非常にマイナーなエピソードをリンクさせてあります。昭和初期には、タテマエとして「記念日には歴史的な背景をつけよう」という意識があったことがうかがえます。
ただ、西暦2014年に国会を通過した8月の山の日は、なぜ8月11日かというとたいした理由がありません。「お盆の近くに休日を作りたい。連休が増えてレジャー消費が増える」的な、情緒もへったくれもない単なる政治的な理由でこの日付になったようです。
単に8月に山の休日を作るだけなら、八月朔日(8/1日)に行われていた「田の実の節句」でも強引にこじつけて、8月1日にすればよかったのにと思ってしまいます。
「玉虫色の妥協の結果」が本音だったとしても、なにかしらスケール感のある設定をつけておいたほうが使いやすくなります。