2月は旧暦で如月(ki-saragii)と呼びます。2月の伝統行事といえば「節分」ですね。あとは「立春」や「旧正月」でしょう。なぜ「如月(きさらぎ)」と呼ぶかという語源は諸説ありますが、寒いので着物を重ねて着る月(衣更着)という説が覚えやすいでしょう。
豆まき
季節の変わり目である節分の日に「鬼は外、福は内」と豆をまく習慣があります。
豆まきで鬼を追い出した後、年の数だけ豆を食べるとよいという風習もあります。
神社仏閣でも芸能人を呼んで華やかに豆まきの行事が行われるところがあります。
>>成田山 豆まき(Youtube より)
柊鰯(ひいらぎいわし)
節分の魔除けとして、焼いたイワシの頭と、柊(ひいらぎ)の葉を玄関に飾るという風習もあります。イワシをの生臭い匂いとひいらぎのとげで魔を払うというもののようです。
柊(ひいらぎ)は昔から霊力がある木と考えられていたようです。古事記のヤマトタケルも天皇から柊(ひいらぎ)の矛を与えられて東国の悪い神々やまつろわぬ民を従えに行っています。(日本書紀の同じシーンでは斧と鉞をもらってます)
悪臭を魔除けに使う発想も昔からの発想です。生臭いもので邪を払う例としては、日本書紀(景行紀)のヤマトタケルが「蒜(ひる>>臭い野菜・にんにくなど)」を投げて悪神を退治するシーンがあります。西洋にも「ニンニクでバンパイア退治」という発想がありますが、「にんにく(悪臭)=魔除け」発想は東西共通のようです。
ちなみに西洋ヒイラギと東アジア原産の日本ヒイラギは見た目は似ていますが、別の種類です。赤い実をつけるのは西洋ヒイラギです。
恵方巻
節分の日に「その年の恵方に向かって巻き寿司を丸かぶりすると幸運になる」という風習です。恵方という言葉は、より分かりやすく言うと「吉の方位」のこと。この場合の恵方は、歳徳神(としとくじん)という神がいるとされる方角です。暦で機械的に算出されるものなので、誰がやっても同じ恵方が出ます。
この風習は、20世紀後半以降に広まったもので、セブンイレブン・ファミリーマートをはじめとするコンビニのマーケティング戦略の成功事例として考察すると楽しいと思います。バレンタインが日本で「女子が好きな男子にチョコレートを贈るイベント」になったのは、チョコレート屋さんのマーケティング戦略の成功事例なのと似たような話です。
巻き寿司が好きな人やお寿司を売りたい人は、「踊る阿呆」になって楽しんでしまえばよいです。そうでない人は「販促イベントには興味なし」とスルーすればよいと思います。