4月は旧暦で卯月(u-duki)と呼びます。4月の伝統行事では「お花見」が印象的です。なぜ「卯」の「月」かというと諸説ありますが、「卯の花が咲く季節だから」という説が有力です。
お花見
日本の春の風物詩というえば「花見」ですが、その歴史は古く、平安文学の源氏物語の「花宴」でも宮中の桜花の宴の様子が描かれています。(源氏が朧月夜と扇を交換するシーン)
奈良時代は花というと梅をさすことも多かったのですが、平安時代以降、「単に花といえば桜をさす」と解釈していいくらい桜の人気が日本人の間で定着しました。
例えば、「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」(古今集)は、平安の絶世の美女として知られる小野小町の和歌ですが、「桜の色が虚しく色あせていく、私の美貌も衰えていく」という大意となり、この場合の「花」は桜と解釈するのが定番です。この時の小町は、老いる恐怖を実感するお年頃だったのかもしれません。
さて、平安時代以降、花見は貴族階級の間だけでなく武士階級や庶民の間にも広がります。豊臣秀吉が死ぬ数ヶ月前に 醍醐の花見を催したのは、屋外での大規模な宴会のはしりといえましょう。このあたりから、宮中行事というより庶民の宴会のイメージに近い感じになっていきます。
その後、江戸・明治と経て、現代では3月末から4月頭のイベントの定番として「桜の花を愛でること」が定着しています。現在、各地でよく見られる桜の品種であるソメイヨシノは明治期以降に広まった品種です。
花祭り
仏教寺院で行われる「お釈迦様バースデー」のお祭りです。キリスト教のイエス・の誕生日は12月25日になっていますが、仏教のブッダの誕生日は日本仏教では4月8日になっています。灌仏会(かんぶつえ)というほうが通りがいいかもしれません。
なお、クリスマスの日付が聖書に書いてないのと同様、仏典に明確にお釈迦さまの誕生日が書いてあるわけではありません。日付はあとから設定されたものであると考えられます。花祭りという名前は、明治期に「4月8日が花見の時期に重なる」ことから提唱されて定着したものになります。
他の伝統行事と同じように旧暦の日付で行う所と、今の暦の4月8日に行う所とがあります。
桜のアイテム
桜のアイテムは、他の季節ものアイテムにはないアドバンテージが1つあります。それは、 「年中使ってても、あまり違和感を与えないこと 」です。
例えば、蒔絵の桜柄のボールペンとか、お洒落でいいです。
地味に華やかなものを普段使いに持っておくと、それだけで少し気分がよくなります。
モンブランやデュポンのボールペンもカッコイイですが、伝統工芸の世界と接続できるという意味では蒔絵を取り入れたボールペンなども面白いと思います。