【日本を楽しもう】3月の伝統行事・イベント (弥生 桃の節句)

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3月は旧暦で弥生(yayoi)と呼びます。3月の伝統行事といえば「ひな祭り」ですね。あとは「春分」や「彼岸」でしょう。なぜ和名が「弥生(やよい)」と呼ぶかという語源は諸説ありますが、草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったという説がよくある説です。

ひな祭り

もとは五節句の一つで「桃の節句」「上巳(じょうみ)の節句」とも言われます。3月3日ひな祭りは、現代では「女の子のお祭り」として知られます。(男の子のお祭りは5月5日の端午の節句)

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節句(せっく)というのは季節の変わり目で、この時期に穢れ(けがれ)を祓うという習慣が中国大陸の王朝にありました。これを奈良時代に日本でも採用したのが3月3日にお祭りをする習慣の始まりです。

ひしもち・白酒・ひなあられ・ちらし寿司・、などなどこれにちなんだ食べ物は色々あります。

お酒に関しては、もともとは桃の節句だけに「桃花酒」を飲んでいたものが、江戸頃から白酒(アルコールあり)が流行りだし、今では子供のお祭りなので「甘酒(ノンアルコール)」が中心になったという流れのようです。

昔は、桃に魔除けの力があると考えられていたいので、桃のお酒を飲んでいたのかも知れません。(古事記でも、イザナギが桃を投げて鬼を追い払うシーンがあります)

1.桃のお酒
(桃から作るお酒)

2.白酒 
(今では稀少、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1ヶ月程度熟成させたもろみを、軽くすりつぶして造った酒)

3.甘酒
(ご飯やおかゆなどに米こうじを混ぜて保温し、米のデンプンを糖化させたもの)

 (参考引用URL  甘酒と白酒の違い  農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1201/a02.html )

 ひな人形の起源ですが、人形(ひとがた)で祓いをする習慣が神道にあるのですが、これがゴージャス化していったものがはじまりではないかという説があります。

もとが穢れを祓うお祭りでしたので、この設定での流し雛という行事は一部神社で現在でも行われています。これは、人形にケガレをうつして人形を流すことで、人間のケガレも流してしまえる、という発想の行事です。

>>加太 淡嶋神社 雛流 (YouTubeより)

 人形(ひとがた、人のカタチをした紙)にケガレを移して祓う、という祭式は6月や12月の大祓の時に神社に行くとよく行われています。

春分

春分秋分という区切りは昔からのお祭りがよくある時期です。春に収穫の前祝いをし、秋に収穫の感謝を行うというのは、農業が主な産業だった時代には定番のお祭りだったようです。

現代の神社でも、春分祭などが行われる神社が各地にあります。すこし面白いところでは、相模国一宮(神奈川県)の寒川神社は西暦2015年に「御来光守」というものを春分秋分限定で頒布していました。引用してみると

「春分の日・秋分の日(9月23日)、日の出と日の入りの方角を直線で結びますと、(御来光道) 房総沖から当寒川神社を通り、富士山山頂を経て元伊勢、出雲大社へとつながっていきます。」(寒川神社ホームページ http://samukawajinjya.jp/info/index.cgi?c=zoom&pk=107 より引用)

とのことです。探してみると、色々と面白いお祭りがありそうな時期になります。

余談ですが、キリスト教では春分のあとの最初の満月の日曜にイースター(復活祭)が行われます。イエスの復活を祝うお祭りです。イースターの時期設定は、ゲルマンの春のお祭りの時期設定をキリスト教が継承したものという説もあります。こちらのお祭りの食べ物としては、イースター・エッグというカラフルに彩色した卵が有名です。

彼岸

日本仏教では、春分と秋分の付近に「彼岸」として先祖供養を行う習慣が定着しています。彼岸はもともと日に願うという意味の「日願」だったという説もあります。

「原始神道の太陽信仰×仏教的な西方浄土信仰×先祖供養の発想」→「お彼岸」というのが彼岸の成立に関する2行まとめです。

太陽が真西に沈む、西方浄土と通じやすい、異世界(あの世)と現実世界(この世)が通じやすい、的な発想になるわけです。

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サイトの運営方針は「自分とは何か」「日本文明とは何か」という二つの問いへのインスピレーションを刺激する話をすること。人生で大切にしたい事は「遊び・美しさ・使命・勝利・自由」。 なお、日本的精神文化のコアの一つは「最小の力で最大の成果」だと思う。例えば「枯山水(禅寺の石庭)の抽象的アート表現」などは、良い例。

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