このシリーズは、自分の内側から元気がわいてくる自家発電タイプの人間を目指そうというシリーズです。「親や先生」といった「過去の学び」を意図的に手放すこと。精神的な意味で親や先生を一度殺すこと。これが、内側から元気がわいてくる自分になるためには有効な方法の一つです。
反抗期はきちんと全部やりましたか?
少年少女時代の反抗期というのはこのためにあるのですが、親に教わった「当たり前」や教師に教わった「当たり前」というのは、一度は徹底して否定してみることが必要です。守破離でいうと破と離です。「学んだことを捨てる」というプロセスになります。
過去のポジティブな体験で強化された学習というのは、人間の頭の中に強く刻み込まれてしまうものです。ただ、そこに頼っているといつまでも過去の快楽の亡霊に支配される人生を送ることになります。
精神的な親殺しの重要性
これを言い換えると 「親殺しの重要性」という話になります。神話では親殺しというタイプの物語がよくでてくるのですが、「親から押し付けられた常識をきちんと疑い、自分の価値観を確立する」という人間の普遍的な成長のサイクルが描かれています。
ギリシャ神話はわりとはっきりと親殺しというテーマを扱います。ビーナス誕生などは殺された親子の戦いで死んだ父神の性器から美の女神が生まれるというぶっ飛び具合です。
ところで、日本の神話を見るとストレートに親と子で剣を交える話は意外にありません。
日本の神話で、親子の殺し合いに近いことを実際にやるのはスサノオです。スサノオ(父)がオオクニヌシ(娘の彼氏)を殺す勢いになるシーンは実際あります。ただ、結局はオオクニヌシは宝を奪ってお姫様と一緒に逃げ出し、スサノオは姫を手離すことを最後は笑顔で承認する、という風に殺し合いで終わらない展開になっています。
ただ、これも殺しこそしないものの、完全に親子別居するオチになっていることには注意が必要です。殺してはいませんが、親と子の生活が完全に分離したことは確かなのです。
まずは親と距離をおこう
まずは、親から受け継いでいる部分も実は多い「自分の当たり前を一度は疑う」という所からやっていくといいでしょう。
現在の自分を変えたい場合、親や先生から教わってきたことの中で「やめにしたほうがいいこと」が大量にあるのは確実です。
もし実家にいるならさっさと出て行くことこそが、実は一番簡単な親世代からの悪影響を断ち切る方法です。やる前は、色々な不安が湧いてくるものですが、出てしまえばお互いすっきりしてしまうものです。
子供時代に教わってきたことの中には「実は間違いも大量にあるので修正が必要」ということを受け入れられると、精神的な元気さが上がっていくということです。
よくやりたいことをやる時間を持てという話がありますが、「やりたいこと・好きなことが分からない」という人が少なくなく居ます。それは「周囲から期待されることをする」を重視しすぎて「自分の感覚が死んでいる」状態です。お前は既に死んでいる状態から復活するためには、まずは「自分の親の影響力を脱すること」が最初の壁になります。