武道や能楽など、中世から現代まで続いているものの性質の1つに、「型」という教育や伝承の仕組みを取り入れているという特徴があります。単に下手なのが型なし、型をふまえて乗り越えて新しい境地に達しているのが型破りです。
型なしと型破り
古い芸能での「型」というのは、名人やすごい人の動作をシンボル化・様式化・仕組み化したもの、ということができます。
例えば、六代目○○名人の型、三代目○○○兄弟の型、といった具合です。
芸能や舞台の話ですと
「六代目なんとかさんの作った演出、かっこいい!」
「よし、この演出を六代目型とよぶぞ」
みたいなノリから始まったのではと推測できます。
当然ですが、凡人が名人のマネをしたところで、同じものにはなりません。
ただ、「型」として残っているものはマネしようとしていくと「ある程度ちゃんとしたもの」になっていくという性質があります。優れた「型」は優れた「マニュアル(お手本)」としての役割を果たしていると言えます。